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税理士法人に対して3億3千万円の損害賠償命令~税理士の抱えるリスク~

 何年か前に地裁での判決が出て、税理士って怖い仕事だな…と思ったこのニュース、先月21日に東京高等裁判所において行われた控訴審判決でも高裁が地裁の判決を全面的に支持し、再び税理士法人に対し3億3千万円全額の支払いを命じました。

 その税理士法人は相続対策として顧客の会社代表者が自身の法人に対して有していた貸付をDES(デット・エクイティ・スワップ)により、資本に振り替えるスキームの提案を行ったそうです。

 しかし、そのスキームの実行により多額の法人税負担が発生してしまい、またそのリスクを顧客に伝えていなかったために今回の損害賠償となったようです。

 内容からするとおそらく債務超過会社のDESを行ったために、債務免除益が発生したケースだと思われます。

 正直、債務超過会社のDESにより債務免除益が発生するということを知っていれば、リスクを説明するとかどうとかの話の前に、こんな提案は出さないような気がするので、提案した税理士はこのリスクをしらなかったということでしょうか。単純に会社の清算でよかった気がします。

 税理士個人はもちろんですが、税理士法人の社員税理士も「無限責任」を負っています。つまり、発生した負債全額の責任を負わなければなりません。よっぽど内部留保のある税理士法人でなければ、3億円の損害賠償なんか食らったら破産です。

 税理士も職業保険はあって、申告のミス等によりお客様に損害を与えてしまった場合の補償に備えることはできます。しかし今回の場合は実際の申告ではなく、節税提案が引き起こした損害なので、そのプランに入っていればの話ですが…

  知識は攻撃にも防御にもなります。自身の知識を高めることが、積極的な提案にもつながり、かつ自分のリスクを減らすことにもつながると思います。今回のような税理士に対する損害賠償請求の事例は増えています。自身の知識不足で一発退場になるのはとてもやりきれないとおもいます。

 リスクを避けるために専門分野を絞って仕事を受けるのか、あるいはそもそもリスクのある提案をしないのか(そこにリスクが存在すると認識するための最低限の知識は必要ですが…)。前者であれば専門外の仕事を断るという勇気が必要です。後者であれば他の税理士との差別化ができません。納税者の方がよくおっしゃる「うちの先生は固いんだよね~」ってやつでしょうか?

  今後税理士を対象とした損害賠償請求はさらに増加していくものと思われます。またAIの進化により税理士の仕事自体も、より差別化が必要です。一生勉強ですね。

編集後記
子供たちと風邪のキャッチボールを繰り返しております。今年の夏風邪はかなりしつこい感じ。みなさんもお気を付けください。

 

 

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